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それがスピリット

ふと私が30年以上前に住んでいたBostonでの学生時代のことを思い出しました。
Bostonは学術の街でもあり、学生や先生や研究者がいっぱいでした。

私の通っていた音楽学校(Berklee)もあり、音楽に夢を見ているこれからの人から才能いっぱいの天才や自信満々の人、先生、ミュージシャンが周りにいっぱいいる環境でした。未来に夢を膨らませ卒業する人も、中断していた音楽を学び直す人、挫折して諦める人など色々。
先生なども大学で教えながら真摯にみんな自分の課題に向かっている人がほとんど。

学内の生徒のリサイタルでは、自分の気に入った学生の仲間に”共演して!”と声をかけたり、先生もお願いされて、引き受けたらどんなすごい先生でも有名ミュージシャンでもノーギャラで生徒のバンドに参加するするルールになっていて生徒はとてもラッキー。
先生達も共演を結構楽しんでいました。私も素晴らしい人たちに共演していただき、いい思いをしました。
先生も売れっ子バンドで世界を飛び回る先生もいれば、自分の音楽を探求する修行僧のように黙々と殺風景で観客数人のジャズクラブで毎週演奏を続ける先生などそれぞれ。
今でもBostonの真摯に音楽に向かうさまざまな人たちの光景が目に浮かび懐かしく思います。

かつてアメリカでジャズが最も栄えた時代、Bostonもその一つで、ジャズクラブが軒を連ねる通りは活気に溢れ、連日ジャズの演奏が楽しめたようです。が、私のいた頃はアメリカの経済も落ち込んでいて、またJazzはマイナーで、日本よりも演奏する機会はあるのか?という現状でした。
あるとき私は、友人のミュージシャンに”ジャズはアメリカの生んだすごいアートだからもっと政府がサポートしなければならないんじゃないか?”と聞いたことがあります。そのとき友人は”ジャズは自由の精神の表現だから、そんな政府が入ってきたらもうジャズじゃない!”って、答えてくれて、”そうだ、そうだね!そうだね!”ととても納得した覚えがあります。
ほんとそうだね、最初はアフリカから奴隷として連れてこられた黒人の白人への抵抗だったのだ、自由へ抵抗から始まったメッセージのいっぱい詰まった音楽表現なのだ。それがスピリットなんだ。
だから私がジャズが好きな大きな理由は、SwingすることやImprovisation
Harmony,Rhythmなど表面に聴こえる音楽だけでなく潜んでいる見えない強いメッセージが私を捉えてるのだと思う。

ライブのお知らせしないと、”ああ、そろそろDMを出さないと…”と毎回一応フライヤーを作るのですが、いつも土壇場でなんとか乗り越えています。これは2017年にポルトガルの南端のBordeiraでの仲間とのreunionの合宿のホテルの近くの丘の上の木製の彫刻。この写真は気に入っていてアングルを変え2−3年前のフライヤーにも使いました。

今回のMystery Fourはpianist二村さん、drumsが吉岡さん。どんな夜になるでしょう!