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ディランの50人

生徒の発表ライブが終わってあっという間に2週間。

参加者一人一人が半年かけて準備した大事な2曲を、大事なお友達や家族に聴いていただく、特別な贅沢な時間だった。みんな終わってホッとしていると思う。

今度は私のライブ。来週26日は今年最後のライブです。さし迫って楽しみだけどドキドキです。

先日、今年のノーベル文学賞を受賞したボブ.ディランの代読されたメッセージが心にグサリ。

とても印象に残った大事な言葉でした。さすがノーベル文学賞受賞者!

「…10代で歌を書き始めた時、自分の才能が幾らかの名声を得始めた時でさえ、私はたいして向上心がありませんでした。異なる文化の多くの人に受け入れられたようでありがたいと思っていました。でも一つだけ言わなくてはいけないことがあります。本当は五十人のために歌うことの方が難しいのです。5万人は一つの人格を持ちますが、50人は個々のアイディンティティーを持っています。…だから、ノーベル委員会が小規模であるという事実は大切なのです。….」と。

こんな彼だから、私たちは彼をかっこいいと思っているんだ。

いつだったか昔の古い生徒が、ライブ活動に煮詰まって、メールで質問を。

「先生は、なんで歌ってるんですか?」って。

私は「歌いたいから。」って。それしかないよね。

先日、TVの「徹子の部屋」に、私が最初の頃指導を受けた先生で大先輩の、マーサ三宅さんがお嬢さんの美加さんと出演した。私の生徒から、マーサ先生がご病気だった聞いていたので、お元気な姿で嬉しかった。82歳で、後ろに倒れて背中の骨の痛められたけど、よくなってきたのでリハビリしながらまた歌っていきたいと、娘さんと歌声を聴かせてくださいました。

そう、先生も歌いたいから歌うんだ。歌が生きる意味なんだろうね。

私なんか、50人も聴衆が入ってくれたら、ディランの5万人。

私のライブに来てくれるお客さんは、ディランの50人、みんな個々のアイディンティティーを持っている大事な人たちだから。私にとっては最高に贅沢な時間。

年末お忙しいと思いますが、よかったらお出かけください!