“始まるよーー!”と、偶然ホールのロビーに座っていた、以前レッスンに通っていたTさんをみつけ、声をかけ、急ぎ足でトイレに駆け込んだ。数日前の市内のコンサート会場でのこと。
家でのレッスンを終え、無事にホールの席に着いたけど、あと5分あるからと、今のうちにと。Tさんとゆっくり再会を喜ぶ場合ではないので用を済ませコンサートを楽しんだ。終演後会えるかな?とキョロキョロしたけど人混みでわからないのでメールでもしようと帰路に着いたら昨夜Tさんから先にメールをいただいた。
生徒にも言うのですが、”音楽は時間のアートだから、本番の演奏が始まったら途中で止まって、もう一回というわけにはいかない”と。練習なら、止まって、本番でミスをしないように、できないところをなんども繰り返す、でも本番は止まれない。そんな音楽で生業を立て40年以上もいると身体もそのシステムに。本番は止まれない。普通の生活もそのシステムに支配されているよう。だからレッスンも同じ。一時間ごとにきちんと次の生徒さんがやってくる。それは基本。でも一人一人のレッスンの中身は限られた時間の中で、毎回時間をかけて本番が上手く行くための繰り返しや、細かい作業など。
当たり前のことだけど時間に生きている。自然の中での別荘暮らしなど憧れるけどそうはいかないので、都会の中で限られた時間の中で今を大事に生きるのが現実です。
音楽はその時間の過ぎる中での表現だからスリルがあって面白い。書もそうです。油絵やデザインのようにやり直せない。墨で書いたところは消せない戻れない。だから気持ちがいい。好きです。もともと時間のアートという言葉は私が師事していた書の先生の機関紙に書いてあった言葉です。音楽も書も時間のアートと。
だから時々時間から離れる時間も必要。ユルーーイ時間。どこかゆっくりできるところに出かけ。じゃないと糸が切れちゃう、心身おかしくなっちゃう。
昨日は5月28日が本番の48回目のspice of life.(私のスタジで学ぶ人たちのライブ)のリハーサル。これも限られた時間の中で素晴らしいリハーサルができるようにと毎回実験の場でもあります。生徒も共演のバンドのメンバーの3人のミュージシャンも素敵な人たち、スムースで中身のある素晴らしいリハーサルになりました。
Thank you everybody!!
ヨカッタ、嬉しい!