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伊藤くんからの”中里さんのスライド上映会のお誘い”

ここのところ(あいかわらず?)たてこんで、書きたい事はたくさんあっても、コラムを書く時間がもてなくて、ごめんなさい。
そのたてこんだ出来事の一つを今日は御紹介します。

先日久しぶりに20年来の友人、建築家の伊藤君から(私のほうが少しお姉さんなので昔からこう呼んでいます)彼のアトリエでのスライド上映会のお誘いをいただきました。
以前彼のアトリエが西荻窪にあった時は、建築や美術関係のスライド上映会が時々あって、いろいろ勉強させていただきました。そしてスライドや、レクチャーが終わるといつも楽しい酒盛りでした
また伊藤君とは、私のところで書の勉強会を月一回2年間位やったりしたけど、その後の2年近く”ちらっ”っとしか、会っていなかったので彼の電話は懐かしくうれしかった。

スライド上映会は、私は「その日は仕事があるので残念!」と、答えたのですが、一応新しいアトリエの地図をファックスしていただいた。
その地図にあった案内文を読んでいるうちに、その写真家の作品が見たくなり、また伊藤君や小林さん(左官教室という業界誌の編集長で素晴らしい方で、私は彼のファンです。いつか小林さんの事はコラムに書いてみたいと思います)にも会いたくなり、仕事の都合をつけて、伺いました。

伊藤君の案内文で、中里さんの写真を”見たい!”と思い、すでに中里さんの作品に感動し”仲間や学生にぜひ見てほしい”と、この会を企画した伊藤君、彼のおくってくれた案内文から久しぶりに彼の感性に再会し、大変うれしくなりました。その伊藤君の案内文とは
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スライド上映会のお知らせ

先頃、「小屋の肖像」という写真集を出版された写真家中里和人さんの御好意により彼が全国を歩いて出会った多くの”小屋”たちを見せていただける事になりました。

以前、中里さんに撮影方法を伺ったことがあります。
それは「写真うつりの為にいろいろ工夫し、準備しての一枚ではなく、「これだっ!」という小屋に出会うと同時に、すでに彼の身体の一部だというライカのシャッターが押されている、そんな一枚だそうです。ですから、35mmのレンズを通して私達の目にあらわれる”小屋”は、中里さんが出会った、まさに瞬間のたたずまいです。」
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その甲斐があって、中里さんの写真は、本人同様、ハートフルで素朴で力強くて美しかった。集まった仲間も私同様、まだお会いした事のない中里さんの写真に興味を感じた人達で、参加した仲間とも楽しい時を過ごした。

うまく写真のことは言えないので、中里さんの写真集の帯のところにあるこんな文章を
御紹介します。

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集落をぬけると急に視界が開け、遠くの山並が薄墨色に煙っていた。
つづら折りの道を何本か曲がったとき、西日に照らされた小屋がふいに飛び込んできた。
「これだっ!」その小屋を見た瞬間、つつましさの中に秘められた品格のようなものを強く感じた。
…………ありあわせの廃材で作られた小屋には、現代の暮らしが求める過剰さが無い。用の為に建ち、褪色し、増殖し、生き延びて来た姿にてらいがない。あるのは、いい加減さと潔さである………..(あとがきより)

中里さんの「小屋の肖像」はメディアファクトリーより¥3,200で発売されています。