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ヒリヒリとした怖さの中

市の健康診断のために毎年検診をお世話になっているクリニックへ。

看護師さんが、私と私のデータを見て

「お元気ですね!」って。「ええ、仕事もしてますし、ダンスなどして体を動かしているので。」「わ!すごいですね。」って、看護師さん。

私は普通にやっているだけなのですが、年齢を重ねるとそう思われるのか?と、そんな年になったのかと思った。

会社などに勤めればリタイアーの年と思われたからか、

「お仕事は何にをしているの?」って。

「音楽をやっていて、教えたり歌ったりしています。でも毎日ステージで歌うわけではなくて、歌うのは時々ね、でもスポーツ選手と同じで教えるのも歌うのもトレーニングなどを常にしなければならないので、体力ないとダメだから運動もしています。」というような内容のことを、会話のやり取りの中で話しました。

「じゃあ、歌うの趣味ね、いいね、歌うの楽しいもんね」と看護師さん。

「ううん、たまにしか人前では歌わないけど趣味じゃないんだよな、これに人生かけて来たんだから」内心思ったけど言わなかった。

若い頃、ホテルやクラブで毎日歌っていた事があったけど、新鮮さがなくなり、たまにでいいからもっとワクワクドキドキした特別な気持ちで音楽やりたいと思ったので、今はそのスタイルでやれていることは本望です。

ジャズはクラブなどでお酒を片手や野外でワイワイ盛り上がりながらのスタイルから室内楽みたいな緊張感のあるものまで色々。若い頃、いまより音楽もよくわからず、今日もまた昨日と同じ成長もできず歌わなければならない事が嫌で、でも毎日歌いに仕事に向かった時代。

葛藤しながらも毎日ステージに立つために、たくさん曲を覚えたり、効果が上がらなかったかもしれないけどそれなりに練習したり、バンドのみんなやお客さんとの楽しい雰囲気も味わえ、いろんな経験ができたことはいい経験でもありますが。人生は無駄な事は何一つないというから。

お笑いの人の中ではけっこう好きな、爆笑問題の太田光氏が、朝日新聞の仕事力というコラムでこんなことを話していました。

「俺たち芸人はみんなお笑いという難しい仕事で生きて行くために、芸を磨かず人のせいにすることをダサいと感じるんです。………」

「舞台、つまりライブは怖い。俺たちはデビューして30年を過ぎた今も舞台に立つことを自分たちに課していますが、芸人としての生のヒリヒリした怖さが大切だと思うから。」と。

私もライブの緊張が、太田さんのいうヒリヒリとした怖さの中でどれだけリラックして、バンドとそして聴衆と楽しい世界が作れるか、それが何よりも自分にとって楽しいので。