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“好奇心に純粋に従えるようになった”、と。

よく歳をとると頑固になると、頭が固くなったり融通が聞かなくなるって。

そういえば昨年久しぶりにリタイアした兄貴の家に(私には3人兄がいてその一人、みんな違う個性で面白いのだけど)遊びに行った時、昔より硬いなあ!と感じた。まあ、会社員だった兄だから私のように好き勝手に生きているわけではないので、違いを感じてもおかしくないのだけど。私も頭が固くならないように気をつけないと。

でも年齢ではないようだ。

昨日の私のコラムに、朝日新聞の一柳慧(いちやなぎとし)氏の”語るー人生の贈り物”という連載記事が気に入っていて、終わらないでほしいと願ったのに、今日の15回が最終回になってしまった。残念!

彼は、同じ前衛作曲家のエリオット.カーターも90歳を超えてからがすごかった。”晩年に挑戦する心が増してくるというのが本物ですよ”と。”歳をとったほうが好奇心に純粋に従えるようになった。….古いものへの反発も逆になくなる。新しいか古いかは、面白いかどうかに関係ない”と。私も年齢は関係ないと思う。肉体的には衰えるかもしれないけど、時間かけたのでいろんな経験や学びが考えを深めてくれるので、より豊かになる。

一柳氏は、”決まり”から飛び出した現代音楽は身内から異なる価値観を示し、権威に疑いの目を向け、世界との新たな対話の道を探るものだった”と。師ジョンケージから受け継いだ精神だと。

ジャズも最初は差別や権威に反抗する部分があった、私はそのスピリットに自由な気持ちでチャレンジする生き方でもあると思っています。ジャンルは違うけどジョンケージもジャズだった。ロックも権威に反抗するというのは同じですね。ロック魂と言ったり。

友人であるトランペット奏者の伊勢さんと以前飲んだ時、”タモリが言っていたんだけど、ジャズはその人がジャズかだって”って伊勢さんが言って、そうだねと共感したのを覚えています。タモリの言い方だったら、ロックの人はその人が表面ではなくてロックかって、言ってるんじゃないかな。

人間にはタイプがあるから、それぞれだと思うけど。イデオロギーだって、政党が色々あるように。

「時間と空間、両方に開かれた音楽をこれからも書いて行きたい」と、ますます型破りな一柳慧氏。コンサートに是非行ってみたい。

愛なんて一言も言ってないけど、おおらかで優しい人に違いない。