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春一番がふいて….

今夜の帰り道は寒くて凍えましたが、二月も終りに近づき、春一番もふいて、春もだんだん近づいて来ました。

“秋もだんだん深まりました。姉もだんだん色づきました”.”柿のつもりが、姉にまちがえたらしいと、1974年の朝日新聞の天声人語で若い世代の漢字力を案ずる一文を書いていたと、今日の天声人語で読んで、思わず声を出して笑いました。
姉も色づきは笑ってしまうけど、30年以上前に危惧していた事が、今は本当にひどい状態だと思う。パソコンがあるから辞書はひかなくても字はすぐわかる し、だから覚えなくても用は足せる。メールばっかやっていると、便せんやはがきで便りを書く事も少なくなってきた。ペンや筆を持つ事,字を眺める事も好き だったのに、それからもだんだん離脱してきた。せめて毎年やり取りしている人との、年賀状は手作りで楽しみの様な、年に一回のイヴェントのつもりで書いて いるけど。
四人兄妹で一番美しい字を書く兄は数年前から年賀状は宛名もパソコンになってしまった。妹の私が、腕が泣くと、もったいないと伝えたけどその後も変わらない。

私の生徒には、自分の譜面をわかりやすくきれいに書く様に指導しているけど、今はソフトがあるので、手で書かなくても打ち込めば印刷した様なきれいな譜面がコンピューターで書ける。
でもそうなると、それぞれのパーソナリティーも見えなくなってしまい、味わいが欠けて実用一点張りで面白くない。オーケストラの譜面やレコーディング用の 譜面なら、わかりやすさだけで、個性など必要ないと思うけど、やはりヴォーカリストの譜面くらいは、愛情込めてきれいにわかりやすく、自分で書くという、 伝統がまだ廃れてほしくないなあ..。